あの日廊下を上がって奥の方、君はいた。
あまりにも大きいモノを平然と隠すことなくぶら下げ
背丈は少し高いが猫背で、憐れむように、でも優しく包み込むように笑いかけてくれたその独特の笑みが、陽炎のように僕に染み付いて離れない
すれ違いざま、そこはかとなく、たわわに実った君の柔らかなお尻に手を触れると君は消えそうな声で
もう少しだけ待ってと囁いた
暫く待っていたけれど君は、細く茶色くこざかしい雌犬に手を引かれ大部屋の奥へと消えていった
しばらくすると、耳を澄ますまでもなく、雌犬の咆哮が絶え間なく響き渡り始めた
その後のことは知らない
もう少しだけ待って
というそのセリフを胸に
私は今も待ち続けている
いつか、待たせたねと君が僕の手を引き、導いてくれるその運命の瞬間を
当方172.55.24